写真や動画を撮影する時によく見る、fpsという言葉。
これが撮影の質に関わるのは何となくわかるけど、実際何を示しているのかわからない、という方も多いのではないでしょうか?
今回はそんなfpsという言葉について、動画撮影を例に取りながら解説していきます。
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動画編集でよく見るfps(フレームレート)とは?
まず、fpsは、略さずに記す“Frames Per Second”となります。
日本語では一般に「1秒におけるフレームの数」と訳しますが、これを理解するにはそもそも動画が何なのかを知らなければなりません。
動画とはパラパラ漫画と同様、画像が何枚も繋がることで動いて見える「写真の連続」です。
スライドショーよりも連写よりも早く画像を1枚1枚切り替えることで、あたかも動いているように見えるのです。
フレームという言葉はその1枚1枚の写真を意味していますので、fpsを言い換えると、
「1秒に記録されている写真の枚数」となるのです。
30fpsと60fpsの違いとは?
では、fpsの前に数字が書いてある、30fpsや60fpsというのはどういうことなのでしょうか?
fpsが「1秒におけるフレームの数」を示すというのは先程記しました。
これを知っていれば、簡単に理解することができます。
30fpsとは、そのまま「1秒におけるフレームの数は30枚」と言っているのと同じです。
言い換えれば、「1秒間に30枚の静止画で構成されている動画」です。
60fpsは「1秒間に60枚の静止画で構成されている動画」ということです。
fpsそれぞれの特徴や使われ方
次に、30fpsや60fpsなどの数値を用いる具体例を紹介していきましょう。
まず、人間の目に自然な動きに見えるfpsは、30fpsと言われています。
これは先程の通り「1秒間に30枚切り替わる」ということですから、裏を返せば、30fpsより遅ければ人間の目には、若干カクついた動画となるのです。
さて、ここからはテレビやゲームを例にとってfpsの特徴を見ていきましょう。
まずはテレビ。テレビの動画は30fpsとなっています。
人間の目に自然な動きに見える基本的なfpsですから、テレビはこの30fpsの値を用いるのです。
一方、映画は、24fpsとなっています。
テレビよりも若干少ないものとなっていますが、トーキー映画が主流になってからというものの、数十年の間この値は変わっていないのです。
ちなみに無声映画時代は16fpsでした。
では、身近なもので一番fpsの値が大きいのは何か、と気になる方が多いかと思います。
実は我々の身近で一番fpsの値が大きいのは、ゲームなのです。
最近のRPGを見てみると、大変滑らかな動きで移動やストーリー展開が可能となっています。
それが顕著に現れているのがドラゴンクエストやファイナルファンタジーのようないわゆる王道RPG。
昔のそれらと比べると、最近のものは異次元の滑らかさを実現しています。
fps(フレームレート)はスローモーション動画で超重要!
さて、ここまで一般的な動画のfpsについて紹介してきましたが、ここからは少し視点を変えて、スローモーション動画におけるfpsについて解説していきましょう。
おすすめのfps(フレームレート)の設定
まず、スローモーション動画にはfpsが深く関わってくる、ということから説明していきましょう。
そもそもスローモーション動画というのは、fpsとして記録されている写真の連続を、通常の動画よりも遅く再生することでスローモーションしているように見せる、という動画のことを言います。
例にとってみると、
まずここに30fpsの動画があるとします。
これは「1秒間に30枚のフレームが記録されている」という意味ですから、このフレームたちを1秒間かけて連続させれば、当然1秒間に30枚の通常の動画が完成します。
では、30fpsのフレームたちを、2秒間かけて連続させた場合はどうでしょう。
30枚のフレームを2秒間かけて見る訳ですから、1秒間に15枚のフレームが動くことになります。
ここで注意しておきたいのが、
この1秒間に15枚のフレームは15fpsではありません。
そもそも「1秒間に30枚のフレーム」を2秒に引き伸ばしているだけですから、それらの毎秒15枚のフレームは30fpsのうちの前半15枚となるのです。
さて、ご理解頂けましたでしょうか。
それでは、スローモーション動画のおすすめfpsについて紹介していきましょう。
撮影した動画を2倍のスローモーションにした時にカクツキなく30fpsで見るようにするには、撮影時は、最低60fpsは必要です。
これは30fpsでやっと人間の目に自然に見える、という理論から来ているもので、実際スローモーションでもストレスなく滑らかな動画を楽しむことができます。
さらに滑らかに、かつ細かいスローモーションが見たいと言うのであれば、120fpsで撮影すれば4倍スローモーション動画が実現できます。
しかし、これらの動画を撮影するには、そのfpsに対応したカメラやスマートホンを持っていなければなりません。
120fpsの動画撮影が可能で、画質がいいものといえば、近頃発売されたiPhone11やSonyの一眼レフカメラなとがあります。
昔は120fpsなんて高いカメラにしか不可能でしたが、手ごろに買えるカメラやスマートホンでもその撮影が可能となってきているのです。
スローモーション撮影での注意点
とても楽しい動画を楽しめるスローモーション撮影ですが、あまりに調子に乗って撮りすぎると「容量」という砦に弾きかれます。
スローモーション動画撮影は一般的に最低60fpsと言われていますから、その分記録する枚数も増えてしまいます。
1分間の撮影で100MBを超えてしまうこともあり、スローモーション動画を撮影する際には事前に容量を空けておくなど、十分注意が必要です。
fps(フレームレート)解説まとめ
さて、ここまでfpsについて説明してきましたが、いかがだったでしょうか?
「動画は写真の連続である」という理論のもと、fpsは「1秒におけるフレームの数」であり、その数字が多くなるほど動画は滑らかになる。
そして、人間の目に自然に見えるfpsは30で、スローモーション動画撮影に適したfpsは最低60fpsである。
こうした知識を用いて、ぜひ今すぐにスマートホンやカメラを手に取って動画撮影に挑んでみましょう。
今までとは違う、新しい景色が見えるはずです。